調停では話し合いによる解決のための努力がなされる
・調停では双方の言い分が聞かれる調停期日に出頭すると待合室は別々です。まず、申立人だけが呼ばれ、調停委員会から紛争の実情を聞かれます。紛争の実情は、調停申立書に、すでに記載していますが、さらに詳しい状況や不明の点などについて聞かれます。続いて相手方だけが呼ばれ、相手方は、その実情に関して言い分などを聴取されます。つぎに、当事者双方の主張に対して事実の調査が行われます。この事実の調査は、訴訟ほどの厳格な手続きによらずに、当事者が持参した書類あるいは参考人から事情を聞くなどの方法で行われます。また必要な場合には、調停委員会は官庁・公署に対して、資料の送付あるいは調査の嘱託を求めることができます。さらに、不動産などの鑑定を希望する場合には、当事者の申立により鑑定人に鑑定を頼むことになります。・通常、調停案が示される前記のような手続きを経て、調停委員会は紛争の実情あるいは双方の主張を把握し、最も適切な解決法(調停案)を考えて、双方に示して説得します。当事者がこの調停案に合意すれば、これを調書(調停調書)に記載して調停が成立します。通常、調停が成立するまでの期間は、調停期日が3回程度開かれ、3か月以内に全体の60%以上が解決しています。双方の意見が対立してまとまる見込みがないときには、調停は打ち切られます(調停不成立)が、裁判所が適当と思われる解決案(調停に代わる決定)を示す場合があります。この決定は双方が受け入れれば調停と同様の効力がありますが、どちらかがこの決定から2週間以内に異議を申し立てると効力はなくなります。⭐︎ポイント言い分はすべて主張すること。 ⚫︎民事調停の取下げ 調停の取下げは調停が成立する前(または調停に代わる決定が出される前)であれば、いつでもできます。相手方が同意しない場合でもできます。調停期日に出頭して、口頭で取り下げる場合には、調書に記載されます。また、調停期日外で取り下げるときには、取下書を裁判所に提出します。なお、調停を取り下げた後に再び調停の申立をすることもできます